
真空を利用した熱処理は1950年代から使用され始め、今日では 高度に自動化された多種多様の真空熱処理炉が製作され、使用されています。 真空雰囲気を利用した熱処理技術は現在広範囲に利用されているが、もっとも 一般的な熱処理は、真空炉を使用した、焼入れ・焼戻し処理であり、多くの 金型、治工具類の硬化処理として利用されております。また固溶化処理や磁性焼鈍など真空炉を使った熱処理は現在多岐に渡っています。
熱処理における処理雰囲気を真空にすることにより、品質面、コスト面、環境面で
大きな効果が得られます。主なものとして
1、酸化性ガスを含まないことから、被処理物の表面は光輝性が維持される。
2、高温減圧の為、被処理物表面の付着物が除去できる。
3、熱処理歪が低減できる。
4、真空断熱のため、炉外への熱拡散が少なく作業環境が改善できる。
焼入れ熱処理 事例KY-2 | 焼入れ熱処理方法 | 課題 | ![]() |
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高周波焼入れ | 歪み |
A.日本工業企画JISを引用すれば、真空とは通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間の状態で、圧力そのものを言うものではない。と規定されています。
真空状態の特徴としては、
1、高真空にすればするほど酸素が減る。
2、音が聞こえなくなる。
3、電気を通さない。
4、熱が覚めない。
5、沸点が下がる。
等が挙げられます。
1により、酸化性ガスを含まないことから、被処理物の表面の光輝性が維持され、高温減圧のため、非処理物の表面の付着物が除去できます。
A.真空炉は耐圧容器である、炉体、扉装置、発熱体、断熱材、炉床等、冷却装置、真空廃棄装置、ガス供給装置、制御装置等からなり、炉体はわが国では高圧容器の基準から、11barの内圧までの加圧が多くなっています。また、真空熱処理炉の分類としては、バッチ式、セミ連続式、連続式等があります。
A.材質、指定硬さ、歪矯正の有無にもよりますが最短で受取日翌日に完成致します。
A.SKD11、SKD61、SUS420、SUS440などがガス冷却での対応が可能です。
S45C、SCM440、SK3、SUJ2などは油冷却で対応可能です。
A.可能です。お問い合わせください。
A.可能です。材質とご希望の指定硬さに応じて焼戻を行うので1度お問い合わせください。
A.弊社でも真空焼入ですと製品サイズによりますが同程度の硬さになる可能性があります。
これはS45Cという材質の特性上の問題で焼入性があまり良くないため、不完全焼入になってしまうことがあります。
製品サイズによっては真空焼入よりはソルト焼入や製品機能上必要な部分に高周波焼入など別の処理の選択肢をご提案させていただくか、S45Cより焼入性の良い材質への材料変更などをご提案させていただいていますので気軽にご相談ください。