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「変寸」でお困りな方

焼入れでは、オーステナイトからマルテンサイトに変態した時、体積が増加します。
これにともない、製品の寸法の変化が生じます。わずかな温度の差、製品の材質の偏析、形状など多くの要因があります。
ここでは『変寸』のよくあるお困りごとと解決策をお伝えします。

熱処理後、縮む

原　因   対策・対処法
前加工材料の目、形状を考慮しないで切削加工をしている

前加工熱処理業者での受け入れ検査時には判別できない為、設計者・発注者が加工業者に材料の目などの詳細な指示をする

熱処理焼戻しの使用温度が不適切 		前加工 熱処理業者での受け入れ検査時には判別できない為、設計者・発注者が加工業者に材料の目などの詳細な指示をする

熱処理適切な焼入れと適切な焼き戻しで改善できる

熱処理後、伸びる

原因   対策・対処法
前加工材料の目、形状を考慮しないで切削加工をしている   前加工熱処理業者での受け入れ検査時には判別できない為、設計者・発注者が加工業者に材料の目などの詳細な指示をする

熱処理焼戻しの使用温度が不適切 		前加工 熱処理業者での受け入れ検査時には判別できない為、設計者・発注者が加工業者に材料の目などの詳細な指示をする

熱処理適切な焼入れと適切な焼き戻しで改善できる

内径が楕円になる

原因   対策・対処法
前加工材料の目、形状を考慮しないで切削加工をしている   前加工熱処理業者での受け入れ検査時には判別できない為、設計者・発注者が加工業者に材料の目などの詳細な指示をする

熱処理焼戻しの使用温度が不適切 		前加工 熱処理業者での受け入れ検査時には判別できない為、設計者・発注者が加工業者に材料の目などの詳細な指示をする

熱処理適切な焼入れと適切な焼き戻しで改善できる

変寸に関するQ&A

Q.焼入れすると寸法はなぜ変化しますか？

A.焼入れは鉄鋼材料を高温の焼入れ温度から急冷することで硬化させる熱処理ですが、この過程で寸法変化が生じます。

焼入れによって組織がマルテンサイトに変化する際に体積が増加するため寸法が変化します。

一般的に、炭素量が多いほど影響を受け、焼入れ後の膨張が大きくなります。

この寸法変化は、焼入れ条件、材質、形状など様々な要因によって、膨張や収縮、歪みが異なります。

変寸に関す解決事例

焼入れ・熱処理 事例①
焼入れ・熱処理 事例SH-1