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よくある質問

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フェライトとはどんな組織ですか?

体心立方格子のα鉄に最大0.02%の炭素(C)が 固溶した固溶体をフェライトと呼ぶ。フェライトは鉄鋼組織中で最も軟らかく、延性も大きく、通常では強磁性体である。

オーステナイトとはどんな組織ですか?

面心立方格子のγ鉄に炭素(C)を最大2.1%まで固溶した固溶体組織で、727℃以上の高温で安定な組織であり、通常、常温では存在しない。

ソルバイトとはどんな組織ですか?

マルテンサイトを高い温度で焼戻しして粒状に析出成長したセメンタイトとフェライトの混合組織で、靭性に富んでおり、機械構造用鋼の標準的な調質組織である。

パーライトとはどんな組織ですか?

共析反応によってできたフェライトとセメンタイトの層状の組織で肉眼では、真珠(パール)のように輝いて見えるのでパーライトとよばれている。

残留オーステナイトとはどんな組織ですか?

マルテンサイト変態終了温度以下にオーステナイト単相域から焼入れした場合でも数%から数十%オーステナイトが未変態で残ってしまう事がある。 このようなオーステナイトを残留オーステナイトと呼び、鋼の機械的性質に影響を与える

残留オーステナイトを極力減らすには?

残留オーステナイトの生成量を軽減する方法としては、焼入れ直後にMf点より低い温度、例えば液体窒素温度(-197℃)に冷却する方法があります(サブゼロ処理)

H鋼とはなんですか?

同一規格成分の鋼でも焼入れ性がかなり異なる場合があり、そこで化学成分のみでなく焼入れ性曲線がある範囲内、すなわち焼入れ性バンド(Hバンド)に入る事を保障された鋼のことです。

機械構造用炭素鋼とはどんな材料ですか?

機械構造用炭素鋼(SC材)とは0.1〜0.6%のCと少量のSiおよびMnのほかは合金元素を含まないもっとも安価な鋼種に属する鋼です。 また半面焼入性に乏しく大型部品用の素材には向きません。

機械構造用合金鋼とはどんな材料ですか?

機械構造用合金鋼(SMn材、SCM材等)は機械構造用炭素鋼よりもっと高い焼入れ性が必要な場合の素材として使用され、相乗効果の観点から、焼入れ性の向上に必要ないろいろな種類の合金元素を少量ずつ添加してある鋼です。

ステンレス鋼とはどんな材料ですか?

ステンレス鋼は組織の形態に応じてオーステナイト系、オーステナイト・フェライト系、フェライト系、マルテンサイト系、析出硬化系の5つに分類されます。このうち マルテンサイト系以外の鋼種は熱処理における組織変化がないことが大きな特徴です

炭素工具鋼とはどんな材料ですか?

炭素工具鋼(SK材)等に限らず、工具鋼は、一般に共析組成以上の高い炭素濃度を有していて、これは組織中に形成される多量の炭化物により、すぐれた耐摩耗性を与えるためであり切削工具に使われることもある

高速度工具鋼とはどんな材料ですか?

高速度工具鋼(SKH材等)とはハイスとも呼ばれ、主として切削用工具として使用される、多量のWまたはMoを含有する鋼です。

ばね鋼とはどんな材料ですか?

ばね鋼(SUP材)にとってもっとも重要な特性は弾制限の向上であり、そのためにいろいろな手段が講じられる。焼入れ焼戻しもその処理の一つであり、熱処理ばねと呼ばれることもある。

軸受け鋼とはどんな材料ですか?

軸受け鋼(SUJ2等)の用途は、ベアリングと玉、金型のガイドポストのシャフト、スライドシャフト等であり熱処理でもっとも重要なのは球状化焼きなましである。その成否が軸受け鋼の性能に直接影響する

焼きならしとはどんな処理ですか?

焼きならしとはA3変態点以上の温度に加熱して均一なオーステナイト組織にした後に大気中で放冷する熱処理です。

焼き戻しとはどんな処理ですか?

焼戻しとは焼入れ又は焼ならしを行った鋼について、硬さを減少させ粘さを増加させる目的で行う熱処理です。一般的に焼戻温度は粘さを目的とする構造用鋼などの場合は、400℃以上の温度で、また、硬さを必要とする場合には200℃前後の温度です。高温の場合を高温焼戻し又は調質、低温の場合は低温焼戻しと呼んでいます

焼きならしと焼きなましと焼き戻しの違いがよくわかりません

目的がそれぞれ違いますが焼きならしは、微細パーライトが発生するので焼きなまし組織にくらべて機械的性質は大幅に向上します。また焼きなましは通常素材の被削性を改善する目的で行います。但し、焼きなましと焼きならしでは焼きならしのほうがやや硬い仕上がりになり、加工性はよくなります。

焼き入れの際、鋼の炭素含有量の増加によりS曲線(ノーズ)は左右にずれることはあるのでしょうか?

TTT曲線、CCT曲線のいずれも炭素含有量が増えればS曲線(フェライトノーズ、パーライトノーズ、ベイナイトノーズ)は右側(遅くなる方)にずれると考えられます。

調質とはどんな処理ですか?

調質とは焼入れ後に500℃以上の高温焼き戻しをおこないソルバイトという組織を得る処理の事です。機械的性質は焼き戻しの進行にともなって、引っ張り強さ、降伏強さ、硬さが低下し、伸び、絞り、衝撃値は増加し650度前後でもっともバランスのよい特性を示します。

固溶化熱処理とはどんな処理ですか?

固溶化熱処理とは熱間圧延中に析出したクロムの炭化物や窒化物を拡散固溶させて均一なオーステナイトにすることで、安定した組織とし、延性、じん性、耐食性、耐熱性を向上させることを目的とします。

時効処理とはどんな処理ですか?

定義としては硬さ、強さ又は耐食性などを増進させるために適切な温度、又はある種類の合金や質別に対しては室温で、溶体化処理(固溶化熱処理)した製品を均熱保持する処理とありますが、通常の焼入れとの一番の違いはマルテンサイト変態を伴うかどうかです。

光輝熱処理とはどんなものですか?

鋼材の表面酸化を防ぎ、光輝状態のままで行う熱処理をすべて光輝熱処理という。通常は最終製品の熱処理に適用される。

浸炭処理とはどんなものですか?

鋼の表面に炭素を拡散浸透させる処理の総称であり、ガス浸炭、液体浸炭等の各種の浸炭方法がある

窒化処理とはどんなものですか?

窒化層は凝着抑制効果を持っているので、浸炭と同様に表面処理の手段としてよく利用されます。ガス窒化、ガス軟窒化、プラズマ窒化等の方法がある

窒化処理とはどんなものですか?

窒化層は凝着抑制効果を持っているので、浸炭と同様に表面処理の手段としてよく利用されます。ガス窒化、ガス軟窒化、プラズマ窒化等の方法がある

高周波焼入れの特徴はなんですか?

高周波焼入れは処理品のまわりにコイルを置き、コイルに高周波電流を通すと、主として交番磁界によって誘起される渦電流によって、処理品の表面層が加熱されます。
(表皮効果)。他の熱処理と違って、製品が自己発熱を起こします。
また、高周波焼入れの利点としては、一般的に
1、直接加熱のため、熱効率が良く、処理時間を短縮出来る。
2、局所加熱ができ、周波数による深さの管理が比較的容易である。
3、急加熱、急冷であるため、焼入れ性の良くない、SC材等にも硬さが十分得られまた酸化、脱炭、変形が少ない。
4、表面のみの焼入れにより、大きな圧縮残留応力が得られ、疲れ強さを向上させることができる。
5、ガス等を使わない環境にやさしい熱処理である。等があげられます。
(詳しくは、こちらを参考)

複雑な形状でも高周波焼入れは可能ですか?

高周波焼入れの加熱はコイルによって行われますので、被加工品の寸法、形状に適したコイルの作成が重要となります。
コイルの種類には外面用、内面用、平面用などがありますが、コイルの選定は経験的な要素が多々あります。
コイル作成は非常に高価ですが、弊社では内製化により、ローコストを実現しております。
一度おといあわせくださいませ。

火炎焼入れの際に使うガスはなんですか?

高周波焼入れの加熱はコイルによって行われますので、被加工品の寸法、形状に適したコイルの作成が重要となります。
コイルの種類には外面用、内面用、平面用などがありますが、コイルの選定は経験的な要素が多々あります。
コイル作成は非常に高価ですが、弊社では内製化により、ローコストを実現しております。
一度おといあわせくださいませ。

火炎焼入れ時の硬さや、硬化層深さはどのように決まりますか?

火炎焼入れでの硬さや硬化層深さは、ガスの流量と、加熱時間によって決まります。
硬化層を深くするためには、ガスの流量を少なくして、加熱時間を長くとりますが、加熱時間は短いほうがよく、一例として下記の表を基準としています。
硬化層(mm) 加熱速度(mm/min) 酸素(l/cm2) アセチレン(l/cm2)
8 50 3.60

3.30

6 75 2.35 2.20
5 100 1.76 1.65
3 125 1.40 1.30
2 150 1.18 1.06

真空とはどのような状態ですか?

日本工業企画JISを引用すれば、真空とは通常の大気圧より低い圧力の期待で満たされた空間の状態で、圧力そのものを言うものではない。と規定されています。
真空状態の特徴としては、
1、高真空にすればするほど酸素が減る。
2、音が聞こえなくなる。
3、電気を通さない。
4、熱が覚めない。
5、沸点が下がる。
等が挙げられます。
1により、酸化性ガスを含まないことから、被処理物の表面の光輝性が維持され、高温減圧のため、非処理物の表面の付着物が除去できます。

焼鈍処理の種類について教えてください。

拡散焼きなましや完全焼きなまし、球状化焼きなまし、歪取り焼きなまし(応力除去)等があります。それぞれの目的や特徴は下記の通りです。


拡散焼きなまし
鋳鋼品あるいは連続鋳造により作製された鋼材では、凝固に基づく成分偏析が存在します。鍛造や圧延によって凝固時のデントライトは壊されますが、成分偏析を除去することはできません。
そこで一般的な均質化熱処理に相当するのが、拡散焼きなましです1050〜1300℃程度の高い温度で処理されます。これは原子拡散のしやすさが温度とともに指数関数的に早くなるので、なるべく高い温度のほうが有利だからです。しかし、このような高温では、オーステナイト相の結晶粒の粗大化も生じるので注意が必要です。一般的には鋳鋼品で行われ、Cの拡散と組織の均質化を目的としています。


完全焼きなまし
亜共析鋼(主として0.6%C以下)の鋼をAc3点より30〜50℃程度高い温度に加熱し、徐冷して鋼を軟化させる処理です。この熱処理の目的は被削性や冷間加工性の向上です。ここで温度を高くしすぎると、オーステナイト結晶粒が粗大化して靭性などを低下させることがあるので注意が必要です。

球状化やきなまし
セメンタイト相を球状化し、靭性を向上させるとともに、耐磨耗性を得ようとするのが球状化焼きなましの主目的です。なおパーライト組織はそれ自体はそれほど脆性ではありませんが、パーライト中のセメンタイト相を球状化させれば、さらに靭性が向上することとなります。


歪取り(応力除去)焼きなまし
歪取り(応力除去)焼きなましは、鍛造、機械加工、溶接などで生じた残留応力を除去する為におこなう処理で、A1変態点以下で行われます。低温焼きなましや、軟化焼きなましも含めて、A1点以下の450〜750℃で処理され、冷間加工で生じた加工硬化の除去や、再結晶化による軟化させることによって、成形性を向上させたりします。

真空炉はどのような構造になっていますか?

真空炉は耐圧容器である、炉体、扉装置、発熱体、断熱材、炉床等、冷却装置、真空廃棄装置、ガス供給装置、制御装置等からなり、炉体はわが国では高圧容器の基準から、11barの内圧までの加圧が多くなっています。また、真空熱処理炉の分類としては、バッチ式、セミ連続式、連続式等があります。。

高温焼戻脆性とはなんですか?

500℃前後の加熱によって現れる脆化であるが、650〜700℃の高温焼戻し後、この温度帯を徐冷してもおきます。したがってJISでは焼戻し後の冷却を急冷と規定していますが、脆化は脆化温度範囲に2〜3時間さらされた場合に生じるので通常の機械部品などでは空冷で十分防止可能であると考えられます。また脆化を起こす原因は不純物として含まれるPやAs等が粒界に偏析し、結合力を弱めるためと考えられています。

焼割れとはどのようなものですか?

特に高炭素鋼で起こりやすく、水焼入れではなく油焼入れをするのは冷却速度を遅くして焼入れひずみを緩和させ、割れにくくするためです。原因としては焼入れ加熱中の変形や、マルテンサイト変態による変形等が考えられます。

金属を軟らかくすると、粘くするの違いを教えてください

軟らかくするというのは、より小さな力でより曲がりやすくなるようにすること。粘くするというのは、シャルピー衝撃値を大きくするということ。すなわち、大きな衝撃力が働いてもポキンと折れなくなる性質を強めること