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時効処理(析出硬化処理)

時効処理の概要・特徴

時効処理は室温あるいはそれよりやや高い温度で加熱保持し、合金元素を微細な金属間化合物として析出し硬化させます。
SUS630やSUS631、またインコネルやアルミ合金などの硬化処理に利用されており、T処理、R処理、C処理等があります。

析出硬化処理の概要・特徴

析出硬化系ステンレス鋼としてSUS630とSUS631がありますが、これらの鋼はマルテンサイト生地中にCuに富む微細な相を析出されて強度を付与する鋼で、その特性を発揮させるために固溶化熱処理、及び析出硬化処理が実施されます。
析出硬化処理(H処理)は機械加工などで部品形状を仕上げた後、所要の硬さ、機械的性質を付与する為に実施します。SUS630の析出硬化処理をJISではH900、H1025、H1075、H1150のそれぞれ4条件に規定しています。

 

三洋電子では主に析出硬化系ステンレス(SUS630,SUS631)の処理を行っております。
析出硬化系ステンレスでは析出硬化処理をを行うことで耐食性を有したまま高い強度と硬さを得ることができます。

 

それぞれ以下の条件に分類されます

SUS630
熱処理記号
H900/固溶化処理後470〜490℃空冷
H1025/固溶化処理後540〜560℃空冷
H1075/固溶化処理後570〜590℃空冷
H1150/固溶化処理後610〜630℃空冷

 

SUS631
熱処理記号
RH950/固溶化処理後955℃±10℃10分保持、室温まで空冷、24時間以内に-73℃±6℃に8時間保持、510℃±10℃に60分保持後空冷
TH1050/固溶化処理後760℃±15℃90分保持、1時間以内に15℃以下に冷却30分保持、565℃±10℃に90分保持後空冷

 

熱処理条件の数値は熱処理温度の華氏表示で 低いと強度重視、高いと靭性重視となります。

析出硬化処理のQ&A

Q.SUS630の析出硬化処理のH900とはなんですか??

A.析出硬化処理の条件になります。SUS630の場合ですと、H900、H1025、H1075、H1150の4種類条件があるので各条件に応じて適切な温度での処理を行います。ご依頼の際は条件もお伝えください。

Q.析出硬化の納期はどのくらいかかりますか?

A.製品数量、サイズにもよりますが最短で受取後、翌営業日に完成します。